左の歯を治療していると、反対側の右側の歯が痛みだしてきた
香川県の咬み合わせ専門歯科
吉本歯科医院の吉本彰夫です。
こんなご経験はありませんか?
左の歯の奥歯を治療している期間に、
治療中の歯では噛めないため
反対側の右の奥歯ばかりで噛んでいたら
今度は
右の奥歯が痛くなってきた
右の奥歯が急に割れてしまった
右の奥歯が急にしみるようになってきた
こういったご相談はとても多いのです。
吉本歯科医院では現在治療進行中の患者さんには
必ず何度もお伝えしていることがございます。
それは
治療中は、「普段よりも柔らかいお食事に変えて下さい」
ということです。
歯の治療がいったんスタートしますと
治療部分では噛めません。
ご自身でも治療している部分では噛もうとしないため
治療部分の反対側の歯で噛もうとしてしまいます
これを
片噛み(かたがみ)と言います。
この片噛みにより、今度は治療していない反対側の歯が
① 割れる
② しみる
③ 痛みが出る
などの症状が出てしまう患者さんは非常に多いのです。
どうぞ治療終了まで、普段が10の硬さのお食事内容であれば、
2レベルまで柔らかいお食事内容にまで下げて噛む力の調節を意識してお願い致します。
硬さの基準は
柔らかく似た雑炊や
柔らかいお豆腐などが基準です。
「ええ???
そんなに柔らかくしなきゃダメなの??
普通の食事じゃダメなの?
おせんべいを避けたらいい程度じゃダメなの??」と、
みなさま、驚かれます。
治療途中に、治療とは別の部分が痛みだす、割れる等が起こってしまいますと治療計画が大幅に伸びてしまう可能性がございます。
片方噛みが危険な理由
たとえば
左の奥歯を治療中の場合には
仮歯の状態であったり
お薬が入っている応急的な処置の場合が多くなります。
その場合、治療していない反対側の右の歯だけで噛もうとしてしまいます。
左で噛めないので、どうしても右だけに負担がかかるのです。
私たちは噛めるところを
無意識に探し
そこばかりで噛もう噛もうとしてしまうのです。
右が治療中であれば左で噛もうとします。
逆も同じです。
そうすることで
反対側の左にはものすごい負担が掛かってしまうのです。
私たちは
両足であれば1kmや 2kmは平気で歩けるかもしれません。
しかしもし片足ケンケンで同じ距離を歩けるでしょうか?
どんなに健康でも片足ケンケンの状態では
なかなか難しいはずです。
普段だったら1km 2km歩けるのに100mいや10mでも大変なのです。
つまり片足でケンケンするのと同じ、片方で噛むというのはとても危険なのです。
左の歯を治療中に
右の歯で噛んでいたら右の歯が痛み出した。
右の歯が痛んできた。
右の歯がしみてきた。
これは、
とてもよくある事です。
今までと同じ力で、必要な力を
片方だけで噛むというのは非常に危険なのです。
大事なことは右を治療しているから、なるべく右に負担が掛からないようにするということが最も大事なことなのです。
次に大事なこととして左の残ってる噛める歯でも今までと同じ力ではなく、
柔らかいもの、弱めのものをゆっくりと噛むということがすごく大事なのです。
そうしなければ次々次々と悪い状況に陥ってしまうのです。
ここでこう考えられる方もいらっしゃるのです。
両方一気に治療しちゃえばいいんじゃないか?
そうすると治療の期間が長くなるわけだから不便な生活が長くなる。
だから両方一緒に治療したほうが早いのではないか、と考えてしまいそうですよね?
しかし、左右両方同時に治療してしまうと
かみ合わせの高さの基準が変わってしまいます。
何を優先して治療するのか。
最終的に何が問題なのか。
何を優先して治療しなければいけないのか。
そいうところまで考えて、どういう順番で治療を進めていくのかが決まっていくのです。
単純に右と左、急いで早くということだけでは決められないのです。
どうぞこれから治療終了までは
柔らかいもの、弱めのものをゆっくりと噛む
ということにくれぐれも気をつけて下さい。