- 1. 総入れ歯の種類
- 1.1. 保険の総入れ歯(レジン床義歯)
- 1.1.1. 保険の総入れ歯の長所
- 1.1.2. 保険の総入れ歯の短所
- 1.2. シリコン義歯(コンフォート義歯)
- 1.2.1. シリコン義歯(コンフォート義歯) の長所
- 1.2.2. シリコン義歯(コンフォート義歯)の短所
- 1.3. 金属を使用した薄い総入れ歯(金属床義歯)
- 1.3.1. 金属床の総入れ歯のデメリット
- 1.3.2. 金属床の総入れ歯の種類
- 1.3.3. コバルトクロム床の総入れ歯
- 1.3.4. チタン床の総入れ歯
- 1.3.5. プラチナ金床義歯
- 1.4. マグネット義歯
- 1.4.1. マグネット義歯のメリット
- 1.4.2. マグネット義歯のデメリット
総入れ歯の種類
保険の総入れ歯(レジン床義歯)
保険治療で作られる最も一般的な総入れ歯です。ピンク色の部分はプラスチック(レジン)で出来ています。 保険で安価に作る事が出来るため、入れ歯の大部分を占めています。
この素材の長所は壊れた時の修理がしやすいこと、歯ぐきとのフィットが悪くなってきた時に合わせ直しが手軽にできることです。
短所は厚みがあるため異物感が強くしゃべりづらい喋りにくかったり食物の食感が分かりにくかったりすることがあります。固定せず 歯茎の上に総入れ歯を乗せているだけなのでどうしても外れやすくなってしまいます。プラスチックなので落としたり強い力がかかると折れたり割れたりすることもあります。
保険の総入れ歯の長所
①保険適用治療のため安価で作れる。
②比較的短期間で治療が終わり完成する。
③樹脂でできているので破損した場合、修理がしやすい。
④適用範囲が広くほとんどの場合、使用できる。
保険の総入れ歯の短所
①固定せず歯茎の乗せているだけなので安定せずしっかり噛むことができない。
②強度を出すために全体的に厚く大きく作られているため口の中での異物感が強い。
③顎の骨がやせてくる危険性が大きく口元にシワがよりやすくなる。
④樹脂でできているため樹脂は臭いを吸収する性質があるため手入れをしていても臭いがしてしまう。
シリコン義歯(コンフォート義歯)
保険外診療(自費)の治療になります。入れ歯の硬いプラスチックでできた歯ぐきに当たる面に、やわらかさが持続する特殊なシリコーンのクッションを加工。歯ぐきにかかる圧力を軽減し、噛んだときの痛みをやわらげます。歯ぐきに接する面と縁の部分を、柔軟性のあるシリコーン素材に置き換えた義歯になります。噛んだ時の圧や衝撃を分散してくれるので、硬いものを噛んでも痛みが出にくいです。シリコーン義歯のデメリットとしては、歯ぐきに痛みが出たりフィットが悪くなったりした時にやや調整がしにくいこと、一部をシリコーンで置き換えるためプラスチック部分が薄くなり強度が落ちることです。今の総入れ歯が歯茎に当たって痛くてお悩みの場合は一度ご相談下さい。
シリコン義歯(コンフォート義歯) の長所
①シリコーン義歯にはインプラントの様に特別な外科的手術が不要。
②シリコンなので歯茎にかかる圧力がやや軽減される
シリコン義歯(コンフォート義歯)の短所
①歯ぐきに痛みが出たりフィットが悪くなったりした時にやや調整がしにくい
②強度がでにくい
③顎の骨がやせてくる危険性が大きく口元にシワがよりやすくなる。
④保険が適応されないので自費治療となる
金属を使用した薄い総入れ歯(金属床義歯)
入れ歯のプラスチック部分が金属になっている総入れ歯です。金属部分は内側に使用するため周囲の人から見て目立つ事はありません。金属は強度が高く、粘膜を覆う部分を薄く作ることができるため、違和感が少なく使用することができます。 食事の温度が伝わりやすいので、温かい物や冷たい物の感覚を感じやすく、食べ物本来の美味しさを損ないにくいのも特徴です。金属床義歯はゴールド、チタン、コバルトクロムから選ぶことができます。チタンは軽いため異物感が少ないです。
金属床の総入れ歯のメリット
①丈夫で壊れにくいため、保険の樹脂床の総入れ歯よりも、薄く軽く作ることが出来、違和感やしゃべりにくさが軽減されます。
②金属は熱伝導性に優れているため、食べ物の温かさや冷たさを感じることが出来ます。
③臭いや汚れが付きにくいため、清潔です。
④樹脂よりも金属の方が細かい調整をしやすいため、保険のものよりもぴったりと合った総入れ歯を作ることが出来ます。
金属床の総入れ歯のデメリット
①金属という性質上、破損した場合は補修が困難です。
②使用する金属によっては金属アレルギーを引き起こすことがあります。必ず事前にアレルギーテストを受けてください。
③保険が適用されないため保険適応外の自費治療になります。
金属床の総入れ歯の種類
コバルトクロム床の総入れ歯
コバルトクロムは強度がとても高く柔らかさもあります。デメリットは硬すぎて調整が難しいこと。貴金属やチタンに比べるとアレルギーを起こしやすい素材になりますです。。
チタン床の総入れ歯
チタンは金属アレルギーのリスクが非常に少ない素材です。(ただし、チタンアレルギーの方は受けられません。)チタンは溶け出しにくく、アレルギーが起こりにくいので、インプラント体に使われていたりします。強さと軽さを備えています。デメリットは他の金属より少し柔らかすぎて、たわんだりするので壊れることがあります。
プラチナ金床義歯
プラチナは金属アレルギーのリスクが少ない素材です。(ただし、プラチナアレルギーの方は受けられません。)精密な加工がしやすいため、粘膜にぴったり合いやすい入れ歯を作製できます。また、チタンほどの硬さがないので、お口の中で馴染みがよく、装着感が優れています。しかし、金属床の中で最も重さがあり、費用負担が大きくなります。
マグネット義歯
従来型の保険診療の部分入れ歯の装置は針金を歯にひっかけて安定させるような構造になっています。マグネット式入れ歯はこの針金のかわりに、歯の根っこに磁石に良く付く金属を、入れ歯の中に磁石を組み込んで入れ歯の安定を図るような構造です。これを磁石方式の入れ歯、マグネット義歯、マグネットデンチャー、磁性アタッチメント義歯といいます。この磁石式の入れ歯ができるのは歯の根(歯根)が残っている方の場合です。
歯の根に磁石にくっつく性質のある金属(磁性金属といいます)の板を付けます。入れ歯側に磁石を組み込みます。歯根につけた金属と入れ歯の磁石がくっつくことにより、安定を図る構造です。入れ歯のズレを安定させたり、針金の見た目を解決するのが目的です。強く噛みすぎると入れ歯が壊れたり歯根が折れたりします。
壊れにくくするために金属による補強が入れ歯の内部に必要です。歯根に磁性体金属を組み込み、入れ歯の内面に特殊な磁石を組み込むことで、入れ歯の安定を大幅に改善することができます。 噛む力の一部を歯の根が支えてくれるため、普通の総入れ歯よりもしっかり噛めて痛みも出にくいのが特徴です。吸着力の一部を磁石が担ってくれるので、義歯が粘膜を覆う範囲を縮小できる場合があり、違和感を減らす効果もあります。 歯の根を残すので、歯磨きが不十分になると歯ぐきが腫れたり虫歯になったりするため、毎日のケアが大切です。
マグネット義歯のメリット
①2021年9月より保険が適応されることになりました。
②磁石でくっつけるので安定性があり外れにくい
③針金がないので見た目が良い
マグネット義歯のデメリット
①歯の根が残っていない場合には適応されない
②強く噛むと歯根が折れる危険性顎関節症ある
③歯の根を残すため清掃状態が悪いと虫歯や歯周病が進行しやすい